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第8回 興味ボックスの活用

 何かに興味を憶える、あるいは抱いたとき、そのレベルにもよりますが、大抵は何らかの行動を起こします。たとえば、図書館や書店に行き関連書籍を探す、詳しい人や同好会を探す、インターネットを利用して検索するなど。 なお、ここでいう「興味」とは人、物、現象、考え方などすべてのものを対象としています。
 また、興味を持った「そのとき」が最も行動力、探究心が強いものです。時間と共に興味が薄れ、なくなるものも多いはずです。 この興味の薄れる原因を自分の場合について考えますと、次のようなものがあげられます。

   興味を持った対象の全貌が明らかになったとき。 「なんだ こんなことか」と判ってしまうと、その時点から急激に興味が薄れます。でも、あとから思い起こすと、そのときは、「わかったような気持ちになっていただけ」の場合や「表面だけを見ただけ」、極端には「本当は何もわかっていなかった」ということも多々あります。

 調べた見たが全く手がかりが掴めなかったり、前進が見られなかったとき。 いくら調べてもわからなかったり、前に進まないと、いつかはやる気がなくなってしまいます。

 興味の対象がどうも自分の思っていたものと違う要因が見え隠れし出したとき。 特に自分の持っている人生観、生き方の面で食い違う、賛同できない要因があった場合は、急激にブレーキがかかります。

 時間の経過と共になんとなく意味が無いように思えて。



 あるときから、私は一度興味を持ったものは、頭の中に設けた「興味ボックス」というボックスに必ず意識して入れておくようになりました。別に単なる懐古するためのものではありません。(たまにはそのように使うことはありますが。) このボックスは誰しも多かれ少なかれ持っているはずです。ただ、人それぞれですがどれだけそのボックスを意識するかの差はあります。

 で、このボックスをどう使うかですが、何か以前に興味を持ったものは、何らかの調査をしている可能性があります。ですからボックスをひっくり返して見ると何かのヒントが見つかったり、もう一度調べて見たいと思ったり、そのときは見えなかった、見つけられなかったものが見つかるなど、意外な発見もあります。 また、興味を持ったもの同士をくっ付けて見ると、何かしら面白いもの、新しいヒントが見つかることがあります。これが最大の狙いです。

 かなり以前の発想例ですが、床に引いた黒い線の上を追跡して動く玩具がありました。これとは関係のない所で、バーコードの普及がありました。私にとってそれぞれがまだ新しさを持つ時期でしたので興味を抱き、双方調べたことがあります。 しばらくして、何かの拍子にこの2つの興味ポイントがくっつき、「追跡して動くラインの横にバーコードを書き、ラインに沿って移動すると共にこのバーコードの情報を順次読み取っていく玩具」のアイデアが生まれました。(このアイデアは特許出願はしたものの、残念ながらいろいろな事情で商品化はかないませんでしたが。)

 これは、「何かと何かを足し算すると新しいもの、新しい価値が生まれる」という発想法の基本的な手法と同じです。 でも「単なるあるもの」よりも、これまで「興味を持ったあるもの」の足し算の方がはるかに効果があります。何か「ネタ」を探しをしているときは、特に有効です。

 一度今まで興味を持ったものを整理されてはいかがでしょうか。特に有用・無用のフィルターを通さずに物事が見えていた子供の頃に興味を感じたもの、持ったものは以外と有効なものがあります。