先日、私の仏像切り絵デザインが、とある寺院さんの記念イベントで配布されるものに
採用されることになりました。
現時点では、開示して良いとの確認を寺院さんに取っておりませんので、ひとまず伏せておきます。
(掲載の阿修羅像は参考です。この仏像を所蔵されている寺院さんではありません。)
その際、「サイン(落款)も入れること」との条件が出されました。
慌ててサインを考えねばならず焦りました。作品のどこに、どのように入れるかも考えね
ばなりません。結局、名前の1文字を漢字で黒のまま「影文字」のような形で入れることに決めました。
この間、一日の検討でした。
ただ、この検討も時間制限がなく、いくらでも考える時間を与えられると、もっと良いものができた
可能性もあります。逆にいろいろいじりすぎのものになった可能性もあります。
この名前、この漢字を付けてくれた両親に改めて感謝する結果となりました。
模写か、創作か
写真を参考にしているとは言え、実際にモノトーンにデザインする際はラインを描いています。
特に、白と黒の切り分けは結構難しいです。ときには何度も描いては消し、消しては描いたりを繰り
返します。
その作業は当然「創作」だと仰った方がいます。
これまでの「単なる模写作業」と言う持論を完全に捨てたわけではありせんが、
たとえ模写にしても「描画」してるわけですから、私の作品と言っても良いのではと思うことにしました。
さらに、今回は「サイン(落款)を入れる」ことが条件のお話ですから、そうするしかありません。
サインの効果
実際にサインを入れて見ると、自分でもびっくりするほど気持ちが切り替りました。
自己満足以前に、自分の作品であるとの「自覚」と「責任」を感じるようになります。
ノーサインのときは、本当にお気楽なお遊び感覚でした。
「個人が趣味で楽しんでいます。下手であろうが、何であろうがほっといてください。」と言った
気持ちで、これではなかなかステップアップは望めません。
その意味で、一作一作に自然と力が入るようになります。これは私にとって大きなプラスです。
持論に固まって、自分で進歩・前進の芽を摘んでいたことを反省すると共に、このきっかっけを与
えて頂いたことに感謝します。