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第4回 プラス不満のススメ

 現状のすべての面に対して満足できれば、平和なストレスのない生活が得られでしょう。でも、もしそのような状況に置かれたら、進歩や挑戦意欲がなくなるのではないかと思います。

 「ハングリー精神が大切」とか「ハングリー精神を忘れるな」とよく言われます。でも多くの面で充足されているように見える現代、実際にハングリー精神を持つのはかなり難しいのでないでしょうか。 一体何に対して「ハングリー」になれば良いのか、どうすればハングリーになれるのかを考えてみます。 私は子供の頃から「不満の多い人間」、「満足を知らない人間」、それも「あきらめが悪くてしつこい人間」と言われてきました。
これらは決して誉められた言葉ではありません。でも、よくよく考えて見ると、どうもこれがいろいろな面での原動力になっているように思います。

 単純に「不満=ハングリー精神」と言いませんが、不満を抱いていたからこそ、その不満を解消するために何かを求めら続けられるのだと考えます。 ただし、不満は不満でもプラスに働く不満を持つよう心がけています。
 たとえば、あるもの(システムを含む)を手にしたとき、喜びや満足を感じるのも大切ですが、「これができたらもっと良いのに」、「自分ならこうするのに」、「こんなこともできないか?」などを次から次へと不満を出すようにします。
 私はこれをプラス不満と呼んでいます。 これらのプラス不満を解消する方法がないか、良い案はないかと繋いで行きます。

 「これは実に良くできている」と関心させられる場合もあります。そのようなものを創り出した人に敬意をはらい、尊敬もします。でもそんなときにでも、まったく違った面からプラス不満の目を持つことにしています。

 自転車はフランスで2輪車の原型が発明され、ドイツでハンドルが切れるように改良され、そして日本で荷台が追加されて現在の形になったと言われています。 これは、それまでのものに不満を持った人が、その不満を解消するための工夫が積み重なった結果です。

マイナス不満は厳禁

 不満を持つということは、通常「悪いこと」とされます。ただ、それは何も生み出すことのない「マイナス不満」の場合です。
たとえば、ものを手に入れて使おうとしたとき、なかなか思うように動いてくれなかったり、使いこなせないとき、単に「こんなものはダメだ」と投げ出してしまうのは、マイナス不満です。
「なんとかならないか」、「何が理由でこんなに使いにくいのだろうか」から「どうすれば使いやすくなるのか、使いこなせるのか」とつなぐのがプラス不満です。
 社会生活においても、たとえば会社で「なぜ自分の仕事(成果)を上司は認めてくれないのか」、「上司は見る目がない」と思っているときがマイナス不満のレベルです。
これを見つめ直すと、「なぜ、自分の仕事を人(上司)にうまく説明・表現できないのだろうか」、「正しく伝えられないのか」などから、その力が不足している自分に「不満」を覚えるのがプラス不満です。 まして、表現方法は相手に合わせて、それぞれ適した方法が必要です。「前の上司は、これでわかってくれたのに」というのは通用しません。
 また、逆に上司も「なぜ彼は、私の気持ちがわかってくれないのか」とのマイナス不満を抱く場合もあります。

 プラス不満から自分の表現力、説得力を養おうとする気持ちが湧いてくれば、新しい展望が開けるのでないでしょうか。

 プラス不満の中から「ハングリー」さを覚えて、そこから満足できるものや方法、システムを獲得あるいは習得しようとする原動力になればベストであると考えています。そして、日々こうありたいと考えています。

 一度プラス不満を思いっきり抱いてみてはいかがでしょうか。